工房のメンバーが修復に携わった本たちが展示されています。
特別研究室企画展示
100年後も手に取れる本に~内田嘉吉文庫修復報告2021~
2021年7月20日(火)-9月30日(木)
2020年度、日比谷図書文化館特別研究室は内田嘉吉文庫を中心に20点の所蔵資料の修復を行いました。18世紀、19世紀の洋書や戦前期の雑誌、一枚絵(双六)、冊子など様々な種類の資料が安心して手に取れるよう修復されました。
その修復課程の記録を公開し、修復された資料を展示します。
日比谷図書文化館 4階 特別研究室
千代田区立日比谷図書文化館
東京都千代田区日比谷公園1-4
写真は、藤井が担当した『南洋視察復命書』
現状はソフトカバー装、2カ所で針金平綴じで、表紙は破れていて、裏表紙はなく、背表紙も断片のみ。本文は、針金のさびがあり、やぶれや、角折れが多くある本でした。
本文は針金で平綴じでしたが、針金を外してみると4枚一折の折丁だったので、元のように平綴じにしないで、開きやすい糸かがりで改装することにしました。
表紙を裏打ちして最初の折に組み込み、針金あとや破れなど、和紙で本文の補修をして折丁を整えます。
原本表紙の印象を崩さない配色で表紙用紙を選び、タイトルを印刷してから交差式製本の方法で糸綴じしました。