「Statistical Survey of the County Cork」という研究書の修復を行った。
支持体の麻ひもが4本入っている半革装の綴付け製本だが、おもて・裏表紙が本体からはずれており、切断された支持体の影響で両端の折丁が外れる恐れがあった。新たな支持体を本体に固定し、ギャルドブランシュ(2枚一折の保護用紙)を綴付けた。背表紙は天地の一部が欠損していた。表装材は革のみを新しいものに替える方向でお預かりしたが、最終的に総革装くるみ製本に形を変えた。
まずはページのクリーニング、図版の破れ部分の修復を行った。図版が7折に折りたたんであったが、その厚みが前後の紙を圧迫し表紙の閉じも悪くなるので、5折に折り直した。ページ破れ1か所と図版の破れを和紙で修理した。
背表紙を外したところ、背の補強のための寒冷紗が貼られておらず、花ぎれを付けた背に直接革が貼り付けられていた。
107折という折丁数にもかかわらず、束(つか・本体の厚み)に対して背幅が極端に狭く、綴付け製本にふさわしい丸みがなかった。ギャルドブランシュ2折を加え、背固め、丸み出しを試みたが、綴付け製本にふさわしい厚み(丸み)は得られなかった。本来は元の製本形態の綴付け製本を維持すべきかもしれないが、以上の理由と、さらに研究資料として閲覧回数が多いと考えられたので、開きやすいくるみ製本が良いと判断し、総山羊革装のくるみ製本に改装した。
タイトルはご依頼主に確認した上で通称である“CORK SURVEY”とし、初版年1810も箔押しした。中性紙による保護ジャケット、(本体の重みを支える)土台付保存箱を作成した。
お預かりした資料の特徴を熟考することに時間をとられ、なかなか修復の方向が定まりませんでしたが、くるみ製本にすることで全体の姿形も含め、調和がとれたと思います。
記録の公開にご快諾をいただきましたことを、ご依頼主に感謝いたします。
修復・箔押し: 平まどか

























