『日本童話宝玉集』という、大正13年に出版された児童書の修復、再製本を行った。お祖母様からお母さまへと引き継がれてきた、ご依頼主にとって、これからも大切にしていきたい本とのことで、修復のご依頼をいただいた。
破損状況としては、折丁のゆるみ、ページ多数の破れ、最初と最後の折丁の欠損、前後ろ見返し遊び紙の欠損、背表紙の一部欠損と表装材の欠損、おもて・裏表紙の傷みと表装材クロスの一部欠損、剥がれがあった。セロハンテープによる、ページ破れの旧修理後が多少あったが、変色はあるもののテープ自体はすでになく、べたつきもなかったので特別な処置は行わなかった。
最初の本文ページと前見返しきき紙
ページ修理前の一例
折丁をばらし、各ページをドライクリーニングした後、ページの破れを修理した(合計47折の3分の2ほど)。表紙芯材から見返しきき紙を外し、和紙で裏打ちをしてから、最初と最後の折丁に組み立てた。
最初の本文ページと見返しきき紙をつなぐ
ページ修理後
折丁の修復後、ギャルドブランシュを補い、本かがりで綴じ直した。
背固め、丸味出し、寒冷紗貼り、花切れ付け、クータ付けといった一連の作業を行い、裏打ちした紺の綿布を表総材に用いて、表紙貼りした。
見返し貼りの作業終了後、箔押ししたカーフ小片を、背タイトルとして貼り付けた。
見返し貼りの作業終了後、箔押ししたカーフ小片を、背タイトルとして貼り付けた。
本体と夫婦箱
おもて表紙は多色刷りの布が貼られていたが、土台のボールから剥がれた部分も多かった。当初、ボールから表紙布を外し、新たな表紙芯材に貼り付けようと考えたが、布の表面が乾ききって、外そうとすると色が落ちてしまうので断念した。芯材の裏側に色紙を貼り、本とは別に保存することにした。
修復後のおもて表紙と夫婦箱
元のおもて表紙と本体を共に保存する目的で、製本クロスを用いた夫婦箱を作成した。







